実体験談！税理士事務所を開業するのに必要な資金はどれくらいなのか?（高田寛税理士編）

大野 晃

本日は税理士事務所を開業する方は皆気になる！税理士事務所を開業するのお金がいくら必要なのか？と言う事を実体験をベースに高田寛税理士にお話ししてもらう事にしました。

藏田 陽一

私は１０年前に税理士事務所を開業しましたが、昔と今では事情が違うので参考にならないところがあります、それに対して高田先生の情報は平成２８年４月開業とフレッシュなノウハウなので、これから税理士事務所を開業しようと考えている方には非常に役立つノウハウのなるでしょう！

税理士事務所を開業するために必要な資金は、自宅開業でしたら50万円程度、最初から事務所を借りる場合でも100万円～150万円あれば十分と考えます。

私の場合、税理士事務所を開業するための資金として150万円程度でした。

ただ自宅開業でしたので、仕事をする環境を作るための資金は予想以上に少なく拍子抜けするほどでした。

私が税理士事務所を開業したのは平成28年4月ですが、当時実際にかかった費用を挙げてみます。

• PC 　　　　　　　15万円
• プリンタ　　　　　7万円
• シュレッダー　　　1万円
• 机、イス　　　 　2万円
• 棚　　　　　　　　1万円
• 名刺　　　　　　0.5万円
• 挨拶状　　　　　　1万円
• 印鑑セット　　　　1万円
• 文房具　　　　　　1万円
• 写真撮影　　　　　2万円
• HP　　　　　　　　3万円
• 税理士会手続　　0.5万円
• ウイルス対策ソフト1万円
• ドキュワークス　1,5万円
• 会計ソフト　　　　6万円
• 税務ソフト　　 　10万円

合計53.5万円

出費の感覚としては、自宅の引っ越しぐらいです（笑）

備品にこだわればもちろんさらに出費は多くなりますが、「必要になった時に少しずつ買い揃えていけば良い」と考えれば初期コストは少なくすみます。

思っていたより費用を抑えられたと感じたのは、プリンタ7万円、HP3万円、税理士会手続き0.5万円、会計ソフト6万円、税務ソフト10万円のところです。

プリンタはA4カラーレーザープリンターでも5万円前後で購入できます。最初から大きな複合機を買う必要はありません。

また、最近はコンビニのネットプリントを利用すれば、最初はプリンタ自体必要ないかもしれません。

HP作成費用は本当にピンキリです。

当然ホームページ会社に外注すれば数十万円～100万円程度はかかります。

ただHPのテンプレートを購入した後は自作であれば数万円程度に抑えられますし、ITスキルに自信がある方はWordPressを利用して無料テンプレートに月額500円程度のサーバー利用料で済みます。

私の場合はテンプレートを購入して後は自作しました。

＞＞ 高田寛税理士事務所

税理士会の手続きは、税理士登録と同時に税理士事務所を開業の場合は25万円程度かかってしまいます。

しかし、既に税理士登録している方が開業する場合は5,000円の変更手続き費用しかかかりません。

また会計、税務ソフトも最近ですとトータルで年間20万円程度に抑えられます。1人だけの利用の場合格安で利用できる税務ソフトもあります。

私の場合、会計は弥生会計、税務はJDLを選びました。

なお、税理士事務所開業後にすぐに申し込んだ月額サービスは下記になります。

• Dropbox 　　　　　月額1,000円
• 電話秘書　　　　　月額5,000円
• ポケットWiFi 　　    月額5,000円
• GMAIL　　　　　　月額500円
• HP利用料　　　　   月額5,000円

Dropboxを利用すればサーバーのようにデータをクラウド上で保管できます。

また、電話秘書サービスも開業当初は非常に便利です。

電話番号を借りることができるため電話線を引く必要がありませんし、営業電話はコールセンターで電話を受けた段階で断ってもらえます。

税理士事務所開業直後は営業電話が多いため特におすすめです。

このように見ていくと、税理士事務所開業に必要な資金は非常に少ないことがおわかりいただけたと思います。

次に検討が必要なことは、税理士事務所を開業して生活していくための資金です。

私の場合、開業資金は150万円ほどでしたが計画的に貯めたわけではありませんでした。勤務の時に税理士事務所開業のための資金を貯めることは容易ではありません。かといって、数年かけてこつこつ貯金してから税理士事務所を独立というのは非常にもったいないです。

税理士の場合、開業してロケットスタートでいきなり成長軌道に乗る、というのは厳しいといえます。

農耕民族的にコツコツ積み上げていく必要があります。

そのためには、ある程度の生活資金の蓄えが必要となります。

この生活資金が事業資金にとられてしまうと生活への不安が消えません。

そのため、借入の検討が必要となります。私の場合は開業してすぐに日本政策金融公庫から300万円の借入をしました。

勤務の時には、「借金するなんてとんでもない」という感覚でしたが、早い段階で事業を軌道に乗せるためには、借入は必須と考えています。

今私が税理士事務所開業時に戻れるとしたら、間違いなく東京都の制度融資を利用して1,000万円の借入をしています。

事務所を早く軌道に乗せるための先行投資をするためです。

ただ、税理士事務所開業時に多額の借入をしてそれをHP制作会社やコンサル会社、税理士紹介会社、会計ソフト会社に使ってしまい大失敗してしまったという方もいます。

税理士事務所開業時は特に情報戦になります。

税理士事務所を独立するかを決めるまでは慎重に考える方が多いのですが、独立を決めて借入をすると少し気持ちも大きくなりエイヤと投資してしまう方が多いので注意が必要です。

限られた資金をどう利用するかでその後の事務所の経営が大きく変わります。

必要な税理士事務所開業資金やその活用法は、既に開業し成功している税理士に直接聞くのが一番良いです。

こうした方が良いという話だけでなく、皆さんそれぞれ失敗談を持っていますので、開業税理士のアドバイスを受ければ受けるほど、失敗する可能性が減りますし、そうなれば当然成功する可能性が高まります。

ぜひ成功している税理士のアドバイスを聞いて真似をすることをおすすめします！

大野 晃

いやーわかりやすく、そして詳細な説明でしたね！税理士事務所を開業しようという方には目から鱗の情報だったと思います。現代の税理士事務所経営は工夫次第でかなりミニマムに開業できるんだなと感じました。

藏田 陽一

高田先生がおっしゃるように借金は悪ではなく、経営者の精神安定剤です。この感覚を体験することにより顧問先の創業融資支援サービスをする場合には、創業者の気持ちが共感でき、相手も共感してくれるので経験豊富な税理士より逆に強みとなるでしょう。本当にこれまでかと言うくらい赤裸々に未来の税理士開業予定者に勇気を与える情報ありがとうございます！

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