最近の税理士の開業事情・開業したらどうなるのか？

質問者

会計事務所を、そろそろ開業しようと思うのですが食えない税理士と言われていますが実際のところどうなのですか？

藏田 陽一

ご質問ありがとうございます。一般社団法人中小企業税務経営研究協会　代表理事　税理士　藏田陽一です、よろしくお願いします。最近は人工知能で消えてなくなる職業にもノミネートされたり不安をあおられますよね・・・

質問者

会計事務所を開業するのが不安で不安で・・・

藏田 陽一

私が専門学校に通い始めて、税理士業界に入ってから１５年になります。 当時の専門学校にいるときから「今さら税理士として開業しても難しいらしいよ」 という、勉強から逃げたいのか、情報操作なのか、気休めなのか、とにかく話題がほしいのか、は分かりませんが、都市伝説と言うか「開業しても大変！」という噂は常に流れていました。

質問者

昔から言われていたのですね。

藏田 陽一

私は沢山の税理士とお話しているのと自分の経験から言うと会計事務所を開業できない、開業してもまったくお客さんが取れないという事はありません。このことについてお話しさせていただきます。

一般社団法人中小企業税務経営研究協会　代表理事　税理士　藏田陽一です。

今回は

「最近の税理士の開業事情・開業したらどうなるのか？」

をお伝えいたします。

私が専門学校に通い始めて、税理士業界に入ってから１５年になります。

当時の専門学校にいるときから

「今さら税理士として開業しても難しいらしいよ」

という、勉強から逃げたいのか、情報操作なのか、気休めなのか、とにかく話題がほしいのか、は分かりませんが、都市伝説と言うか「開業しても大変！」という噂は常に流れていました。

おそらくこれは、２０年前も３０年前も、どの業界でも、言われていることだと思います。

私はまったくそんなことは気にせず、開業税理士（当時）として登録して、週４日の派遣でも勤めも続けながらではありますが、すぐに開業しました。

この２年間の間でも税経会会員様だけでも、開業して２－３年で５０－１００社以上獲得して、社員さん・パートさんが何人もいる、という方が、何人もいらっしゃるので、すくなくとも

「開業できない。開業してもまったくお客さんがとれない」

ということはないことは事例として証明されています。

ただ、最近は国税ＯＢの方が開業しなかったり、勤務税理士の方が増えているのは統計的に明らかなので

「昔より開業しにくくなった」とは言えると思います。

では、数百人の税理士さんの売上や経営の内情を知っている私から見て

「どのような税理士さんがうまくいっていて、

どのような税理士さんがうまくいっていないのか」

を私見ではありますが考えますと、

やはり「コミュニケーション力」が一番影響を及ぼしています。

これは「営業力」と完全に同じというわけではなく、

「営業」をあえてしないとしても、お客様が求めているもの、

考えていることをくみ取れる力が一番大事です。

経営方針としての一人税理士が悪いわけではないですが、

「何人も雇用をして事務所を大きくしたい！」

という経営方針にも関わらず、売上が足りないため、やむなく一人税理士をしている方に共通しているのは、

「コミュニケーション力不足」

でした。

逆に「コミュニケーション力」があれば、別に人的営業能力やマーケティング力がなくても、長期的にいえば仕事をしているだけで、正社員数人規模の事務所にはなっているようです。

逆に「コミュニケーション力」がない方もたくさんいます。

「営業がしたくないから、人に会ったりするのが苦手だから、

書類の相手だけしていればいい税理士を取ったんだ！」

という方もまれにいらっしゃいます。

もちろん事業承継などで、仕事があふれるほどある、という状態でしたら、書類の相手だけでいいですが、

残念ながら「売上を増やさないと」という状態でしたら、「コミュニケーション力」は必須になります。

なかなか税理士事務所が「つぶれた」という話しは聞きませんが、私の勤務先の同僚さんは、昔開業して、 会計ソフトのリースなど、３００万円超の借金をしましたが、その後売上が増えず、会計事務所勤務に戻り、コツコツと勤めながら借金を返すことになった人が実際にいました。

この方は、税務会計はしっかりとしたスキルを持っていて悪い人ではないのですが、若干お客さんへの話し方が、皮肉っぽいと言いますか、トゲがあると言いますか、「感じが悪いなあ」という印象を残念ながら受けたのと、やはり専門用語を多用する方で、「お客さんはわからないだろうなあ」（相手がわかる言葉で話すのも「コミュニケーション力」です）と思う感じでした。

今から

「コミュニケーション力を伸ばす！」というのは、

なかなか難しいことではありますが、

自分自身で、顧問先だけでなく、異業種交流会でも何でもいいですが、利害関係のない社長様経営者様に多数あってみて、無料でもいいので、税務相談にのって

「今日の話でわからないところ、難しいところはありましたか？」

と教えてもらうと、勤務時代には分からなかった弱点がわかるのではないかと思います。

以上　最後まで会計事務所の経営戦略コラムを見ていただきありがとうございます！

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