税理士事務所経営実体験！公庫で借りた500万円が半年で消える？！

一般社団法人中小企業税務経営研究協会　代表理事　税理士　藏田陽一です。

今回は

皆様に事業拡大の上で私と同じ二の足を踏んでほしくないという事で、税理士事務所経営実体験！公庫で借りた500万円が半年で消える？！クレジットのリボなどで耐え忍んだ経験

をお伝えいたします。

税理士業でピンチに陥ることは、人手不足ですとか、税賠とかいろいろありますが、やはり精神的に一番苦しいのは（開業時の）資金繰りではないでしょうか。

我々は顧問先さんが資金繰りに苦しんでいたり、資金がショートして、いろいろすごく大変なことになっているのをたくさん見ているので、「資金繰りに失敗！」というのをとても恐れますし、資金に余裕を持とうとします。

これは正しいのですが、経営ではある程度は正しくないことをして突っ走らないと、成長スピードが出なかったり規模が出なかったりします。

で、事業・経営意欲の強い人は、まあみんな無理するのですが、ここで「税理士業は、堅く儲かるが、爆発力はない」が問題になります。

友人の新人の税理士が、

家賃を滞納した、とか、借入断られてキャッシュがショート　などの話はたまに聞くのですが、

人の話をするわけにはいかないので、自分の例を話しますね。

２００８年５月後半に自宅開業して、集客は毎月３社以上取れていて、友人や外注さんにもお願いして、だましだまし、やっていましたが、半年で限界に達して、「絶対にこのまま進んだら、回らなくてミスしまくる！」という危機感を感じて、２００９年１月に正社員採用・築３５年の月１０万円の狭いマンションを借りました。

実際に２００９年１２月のお客様で、最後私が申告書を作って、決算書に未払消費税が載っているのに、消費税の申告を忘れている、というミスを翌年見つけました。

あのまま自分と外注とバイトだけだったら、どんなミスをしていたか分かったものではありません。

そのままの勢いで、翌年は８０社顧問をとりまして（私も当時はよく働きました　笑）

２０１１年２月に調子に乗って、また事務所移転と正社員採用に踏み切りました。

当時は坪３万円近い今のビルの小さめの部屋に移って、家賃が月１０万円→３０万円になりました。

人件費が確か月２５万円（社会保険など考えると実質３０万円）でしたので、５０万円のアップですね。

で、そこに２０１１年３月の震災です。

実質夏まで世の中的に新規の営業はかなり難しかったです。

念のため、公庫で借換をして、真水５００万円を追加していたのですが、

まー、消える消える。確か５００万円は半年でなくなったのではないでしょうか。もともと開業資金はありませんので、借り入れたお金以外はありません。

当然、社員さんには「お金が苦しい」なんて言えませんし、妻に相談したら、「私がその後お金を管理するなら、なんとかしてもいい」という話でした。

給料全額差し押さえ、お小遣いゼロ円生活には戻りたくありません。

しかたがないので、広告費やもろもろをクレジットのリボ払いですよ。確か３００万円くらいの枠を使いきるくらいでしたね。

さらに住民税などは滞納しました。いやー、滞納の利率って高いですねー　笑。実感が持てました。

（しかし、うちの妻は正直に話したときに何とかしてあげなければ、やばいところに手を出す、ということは考えないのでしょうか。。。。）

たしか２０１２年の国税還付金で全部返せたと思います。

リボ払いを全部返すと、カード会社はカード利用枠を爆上げしていくれる、という経験者にしかわからない知識が身につきました。

まあ、税理士は荒利１００％でかつ継続収入ですから、カードのリボ払いが利率１７％だろうと楽勝です！

※他の方にお勧めはしませんし、失敗しても責任は取れません。

あとでよくよく考えてみると、地震がなくてもかなり資金計画的には厳しいので、地震がなくてもかなり苦しんでいたと思います。

これは事業計画が大事、と言いたいのではなく、お金の事業計画よりも、経営者気合・売上がほとんどのことを解決する、という側面を強調したいと思います。

安全な事業計画では４人規模にすら、今の時代はなりにくいと思います。

新人・小規模の事務所はピンチに陥ることを分かってほしくて、勇気づけたくて、かなり突っ込んだことを書いてみましたので、御参考にしてください。

いつも会計事務所経営戦略コラムをご覧いただきありがとうございます！感謝します！