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税理士事務所は人工知能の発展でどう変わる?生き残りをかけて!

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書いた人: 一般社団法人中小企業税務経営研究協会
2018.09.06

人工知能とAIや機械学習の発達で、10年後には50%の仕事がなくなるといわれています。特に、会計分野および税理士の仕事はすでに大きく変わっています。そして人工知能が発展するのはもう避けることができません。

ではそんな時代に、税理士や会計事務所に何ができるのでしょうか?

・すでに税理士の業務の一部は、人工知能に取って代わられている

古くからの税理士事務所では、記帳代行という仕事が、税理士の収入の多くを占めていました。忙しい顧問先に代わって、帳簿を記載し、そして保管義務のある領収書を丁寧にまとめる。それこそが、記帳代行でした。

記帳代行は、資格が必要ないため、税務のアドバイス以外の面においては、事務員さんが担当していたことも多かったと思います。つまり、記帳代行の仕事は、会計事務所の事務員さんの雇用を生み出していたのです。

この記帳代行は、5年ほど前までは弥生会計など、オンプレミス型、つまりインストールするタイプのソフトウェアが主流だった会計ソフトを使って、行われていました。よって、昔ながらの税理士事務所・会計事務所では、税理士が仕事を取ってきて、職員である事務員さんが記帳するというスタイルが一般的だったのです。

これが、クラウド会計の登場で大きく変わりました。クラウド会計はAIを使っており、人工知能が仕訳してくれます。よって、お客様は記帳代行を依頼していた費用を、クラウド会計にまかせて、自分で記帳し、そのまま提出することになったのです。

・人工知能時代に税理士こそ税務を

人工知能の時代に、税理士はどうしたらいいのでしょうか。

まず考えられるのが、これまで事務員さんの指導にあてていたリソースを、より専門性の向上に磨き上げて、税務に専念することが求められます。事務員さんが税務のアドバイスをすると、税理士法に違反してしまいますから、それは先生しかできないことです。

よって、クラウド会計に乗り換えたいという顧問先には、ご自身でクラウド会計を使っていただき、節税の部分にのみフォーカスして、税務のプロフェッショナルとして、さまざまな助言を展開していくことが一つです。

・他の資格とのコラボレーション

そして税理士とはまた違った、隣接資格を取ることで、より業務の幅も広がります。たとえば、フィナンシャルプランナーや中小企業診断士です。これらの資格を取ろうと思ったら、比較的勉強時間を求められますけれども、それでも取れば一気に仕事の幅が広がります。ようするに、コンサルティング業務に力をいれていくということです。

資格があると安心してもらえるケースは非常に多いので、それらの資格を目指して、空いた時間に勉強するのはいかがでしょうか。経営のアドバイザーとして、助言業務を主軸にビジネスを変えていきます。

この複数資格の組み合わせによって、より高報酬も見込めるようになります。現状、顧問先が1件3万円だとしたら、それが10万円になり、業務によっては20万円にも。正直な話、非常に金銭的なメリットが大きいですので、受けてみる価値はあるのではないでしょうか。

税理士の業務で大きなウェイトを占めるのが、経営者の話を聞くという仕事です。うまくいっている経営者ほど、孤独なものなので、話を聞いてくれて、適切な助言をくれるアドバイザーはありがたいものです。話を聞いて、プロとして助言していく。この仕事の内容は、税務であってもM&Aや事業再生でも代わりありません。それこそが、AI時代に人工知能ではできない仕事ではないでしょうか。

人工知能は、過去の膨大な経営資料から、最適な解を見つけ出すことは非常に得意です。しかし、話を聞いて適切な助言をすることはまだまだできませんので、このアドバイザリー業務がおすすめです。

・海外展開も視野に入れる

そして、もっともマーケットに魅力があるのが、海外に展開する顧客を顧問先に持つことではないでしょうか。いま、マイナンバーが登場し、所得税はすべて把握されてしまっています。現在のところ、マイナンバーは所得税を国と税務署が把握するためだけのシステムですけれども、徐々に金融機関と連携して、資産の把握につとめ、その後は資産課税につながると考えられています。

資産に課税されると、お金を持っている人ほど困ります。よって、今後は海外に資産をうつす、海外に本社を登記してビジネスを展開するためのサービスが登場し、資産の移転が進む可能性があります。

そこで、海外の事情に強くなれば、オランダ、タイといった移住しやすい国の税務をアドバイスすることで、顧問先に喜ばれます。

・人工知能時代を生き抜く

まだまだやれることはたくさんあります。人工知能の時代になっても、人でないと対応できない業務はありますので、税理士先生はさらにここから進化しなくてはなりません。知識と経験を積み重ねて、新しい世界にチャレンジしましょう。

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この記事を書いた人
一般社団法人中小企業税務経営研究協会
一般社団法人中小企業税務経営研究協会

現役税理士が運営する団体。
税理士への経営情報や税制改正の情報を発信し、協会発足3年で会員数100人となる。

現在は情報発信の他に実態的な支援として、現役税理士が実際に売上を上げ続けているホームページのテンプレート地域限定権利サービスもリリースし、会計事務所の売上アップに直接貢献している。

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